
ジンとくる。ジワッとくる。——Bob Marley & The Wailers との出会い — Kazuo Nara
池田さん(ナミオ)から「この一枚を書いてほしい」とお声がけをいただいた。光栄なことだと思いながら、でも「この一枚」というのが、当たり前だが、難しい。
この一枚を選ぶまで
自分の音楽遍歴を思い返すと、記憶に刻まれた出会いがいくつも浮かんでくる。悩みに悩んで、でも今このタイミングでの自分として、「これだ」と感じる一枚にたどり着いた。Bob Marley & The Wailers の Live and in the Studio だ。
ラジオから流れてきた
10代の頃、ラジオから “No Woman No Cry” が流れてきた瞬間のことは、今でも鮮明に覚えている。なんか知らんが、ジンとくる。続いて “Get Up, Stand Up” が流れると、今度は熱くなる。手に拳を握っていた。
説明できないし、理由もわからない。でも確かに体の奥から何かが来る。それが「あの感じ」の始まりだった。
ジンとくる。ジワッとくる。
ジンとくる。ジワッとくる。熱くなる。手に拳握る。
音楽に揺さぶられるとき、体の芯から何かが来る感覚がある。頭で考えるよりも早く、体が先に反応する。そういう音楽と出会える回数は、一生のうちにそう多くない。Bob Marley は、10代の自分にその「感じ」を教えてくれた最初のひとりだ。
自由と平和と愛を、ナチュラルに
Bob Marley & The Wailers は、自由と平和と愛をナチュラルに歌う。声を張り上げてメッセージを叫ぶのではなく、ただそこにある真実として音の中に溶かしていく。それが何十年経っても色褪せない理由だと思う。
あのラジオから流れてきた「あの感じ」は、今の自分の音楽にも、確かに繋がっている。
編集後記
青森出身のシンガーソングライターとして、ずっと歌い続けてきた。最近、「世界の海カラッポにして今まで流された血を全部注いだら」という曲を配信リリースした。平和への問いかけを音にするということが、自分の中にずっとある衝動だ。
ボブ・マーレイが10代の僕に残してくれた「あの感じ」——その続きを、今も歌いながら生きている。
私(ナミオ)は昔、インディーズレーベルを運営していた。その時に何枚かCDを出したが、その中の一人が今回寄稿してくれた、奈良さん。もう30年レベルの付き合い、いまでも精力的にアーティスト活動されてる、とても尊敬している方。
— Namio
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